Complex

キラさまの悩み・4(完結)
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久し振りに再会した女友達設定in喫茶店辺りで




“近くまで行く予定があるから会えませんか?”


とラクスからメールを貰ったキラは一も二もなく快諾した。
ラクスは大好きだ。かつてアスランと婚約していた時でさえ素敵な女性だと思っていた。それが解消された今でもその気持ちに変わりはない。

整った綺麗な顔に抜群のスタイル。長い髪がふわふわとなびいて同性から見ても本当に女性らしい母性を感じる。しかも普段はぽやぽやとお嬢様然としていても、芯は強くて揺らぐことはない。
にこにこと笑っているラクスも、時に厳しいことを言うラクスも、キラは大好きだった。

ラクスはキラの“理想の女性像”なのである。




「わたくしの顔に何かついてますか?」
そう微笑まれて、キラはいつしか自分が彼女を不躾なくらい眺めてしまっていたことに気付いた。
「あ!ゴメン!!そうじゃなくって」
「では?」
慌てて弁解すると、更に笑みを深くして突っ込まれる。その笑顔がまた綺麗で、うっかり正直な感想が零れてしまった。
「ラクスって…本当に綺麗だよねぇ」
「それは…有難うございます。でもキラだってお可愛らしいですわよ」
キラの脈絡のない話題転換には大分慣れたラクスは一瞬目を丸くしただけで、再び元の微笑に戻った。だがその台詞にキラは唇を尖らせた。

「…………嘘だもん」
「嘘?」
「ラクスは優しいから僕なんかを可愛いなんて言ってくれるけど…。でもそんなの嘘」





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