NARUTO
□Keep You To Myself*
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ナルトが俺たちの身の回りの世話をするようになって2ヶ月が経ったころ。
俺はナルトへの気持ちを“恋”だと理解し、少しずつアピっていたんだけれど、あいつはよっぽど鈍感なのか全く気づいてはいなかった。
――その夜――
「ナルト君。後で頼みたいことがあるから僕の部屋に来てくれるかな?」
「??わかりましたってばよ。食事の後でいいですか??」
「いや、もっと後のほうがいいな……10時ごろで。」
「はいっ!!」
ナルトはニッコリして兄貴のその頼みを聞いた。俺はそんなことは聞き流していて、気にもならなかった。
「あぁ〜〜。疲れた…。ってか、ここまとめ方悪過ぎるんだよ……。分かりずれぇ!!クソ…………兄貴に聞きに行くしかねぇか。」
今日の分の書類を一応片付け不明点を聞きにイタチのもとへ向かう途中に俺は兄貴とナルトのやり取りを思い出し、時計を見た。
「11時前か…。。別に行っても大丈夫だよな。」
そしてイタチの部屋の前へ来たとき、
「……っあっ!!………んっ。。。あぁ!!」
部屋の中から突然嬌声が聞こえた。それは紛れも無い、ナルトの声。。
ダメだと分かっていながらもナルトを取られた悔しさと悲しさでドアを開けずにはいられなかった。
「んっ!!………やっあ!!社…ちょ……もっ、、だめぇ……!!」
「ふふ。うん、ナルト可愛い…。」
覗き見なんて俺らしくないってわかってたけど、扉を引く手が止められなかった。扉を少し開けたままにして俺は自分の部屋へ帰った。
俺の手は汗で湿っていて、そこにはグシャグシャに握った跡がある書類があった。
苛立ちや、悔しさは、イタチではなくナルトに、あの好きだったナルトへと向けられていた。
どうして俺を選ばなかった?
どうしてイタチとヤッたりした?
どうして?
どうして?
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