第4取調室

□黒ちゃんと雀さん
1ページ/1ページ

ちょんちょん、と軽い音。
ベッドの上に座り、そっと窓の外を見てみたら。
ベランダの手すりに雀さんが遊びに来てる。

ねえ雀さん、楽しい?
いいなあ、空、飛べるんだ。
そんな小さな翼で。
すごいなあ、いいなあ………。


―でもね、黒ちゃん。
雀さんには雀さんの苦労があると思うよ?


そうかなあ……。
……そう、だね、多分。
梶原の言いたい事、ちょっとだけ分かる。


―今晩、鶏の唐揚げ食べる?

ねえ、お前さ。
時々さらっと残酷な事言うよね?
………唐揚げ、好きだけど。


―雀さんは雀さん。
黒ちゃんは黒ちゃん。


ねえ、お前、さ。
俺が本当は頭撫でられるの好きなの、知ってる?
……知ってるよね。
だから、ちょっと俺を煙に巻きたい時に、そうするんだ。
違う…。
俺がちょっと寂しい時を、ちゃんと知ってる。


―アイス、買いに行こうか?


ほら、また。
アイスなんかで俺が釣られると思ってる。
……釣られるけど。

梶原の声に立ち上がる。
がま口の財布を持って。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ