動乱の氷華

□予兆
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「──…只今戻りました」


「おお!澪!!どうだ!?」


「命令は遂行しました」


「はは!!そうか!!」


耳障りな高笑いの後に、
部屋に飾られた日本刀を持ち上げた。


今、私が使えている主である。


「澪、君はよくやってくれたよ」

「…ありがとうございます」


「それに君は忠実だ。
……だから、分かってくれるだろ?」


そう言って不敵に笑い、
勢いよく鞘を抜いた刃を私に突き刺した



「っ…」


ああ…、人とは本当に腐っている。




でも、私はこれでやっと死ねる──…

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