「何してるんスか、日番谷隊長」
呆れたように赤髪の変眉ヤローがこちらを見た

「あ、あっ、阿散井くんっ!!そんな失礼な態度..」
阿散井は現世に先遣隊として共に任務をこなしてから、すっかり俺に慣れてしまっている
そんでもって今は俺の机に腰掛けて馬鹿にしたかのような笑みを浮かべている
他隊とはいえ隊長の俺にこんな態度を取る奴はこいつと草鹿ぐらいだ

「それより吉良、何故お前らがここにいるんだ」

正しくはここに、嫌な程女を振り撒くあの副官がいるはずだが、どういう理由かムサい男共がこの執務室に入り浸っている

「ぼ、ぼぼぼ僕はよく分かりませんっ!阿散井くんがっ...」

ちらりと阿散井の方を見ると、吉良の方を見て「知らねえぞ、俺は」と、声を荒げた

「全く、どういうことだ」
依然として机に腰掛けている阿散井の脛を蹴りあげ、椅子に座った

恐らくこいつらは、昼間から呑みに行くための松本からの置き土産だ
先週もあいつの忠臣、檜佐木がここで書類整理をしていた(松本なんかよりも随分役に立ったわけだが)
そして今回、阿散井と吉良がここにいるということは檜佐木と一緒に呑みに行ったのだろう

「お前ら、帰っていいぞ」
阿散井の場合、朽木に叱られるだけだが、三番隊は隊長不在なのだから、吉良がここにいるのは問題だ(阿散井は単に邪魔なのだが)

「そうですか、じゃあ失礼します」
そういって出ていく吉良とは逆に阿散井は出ていこうとしない

「お前は、」
そう言いかけた所で、阿散井は「お茶、淹れますね」と言い給湯室に消えていった


このよく分からない状況の中でも、机に着くと書類を手に取ってしまう自分の真面目さが憎い



そうして書類を一山さばき終えると、男のゴツい手が視界に入った
ちらり、と阿散井を見ると気味が悪い位笑顔だった
「なんだよ」

「いやぁ、日番谷隊長やっぱ真面目なんスねえ、朽木隊長みてえ」

全く呑気な奴だと思い、茶を口に含んだ

「!!!っち!!」

バシャッ
「すっ、すんませんっ!!」
阿散井は慌てて布巾を持って来ると、俺の胸から太もも辺りを拭き始めた




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